父と子の会話(1)

        「もったいない」


「ねえ、お父さん」
「何だ?」
「宿題が出たんだけどね」
「何の?」
「循環型社会ともったいないことの関係だって」
「循環型社会ってわかるか?」


・循環型社会とは(Feペディアより)
有限である資源を効率的に利用するとともに
再生産を行って、持続可能な形で循環させながら
利用していく社会のこと。


「作ったものはすべて再利用するってこと?」
「そうだよ」
「今は使い捨てが多いよね」
「まだまだ使えるのに捨てるからね」
「それがもったいないってことなの?」
「資源を無駄に捨てることだからね」


「昔はどうだったの?」
「昔は修理して使ったもんだよ」
「お父さんも修理してたの?」
「修理が失敗して捨てたことも多いけど(笑)」


「お父さんは手作りしたことあるの?」
「中学生のころはラジオを作ったよ」
「どうやって作ったの?」
「子供向けの科学雑誌を買ってね
ラジオの作り方を見て作るんだよ」


「ラジオって簡単に作れるの?」
「まず、紙に配線図を書いてね
必要な部品や道具を調べて買いに行くんだよ」
「部品って売ってるの?」
「昔の電気屋さんにはみんな売ってたよ」


「で、お父さんはどんなラジオを作ったの?」
「5球スーパーってやつだよ。
アルミの板に穴を開けたり折り曲げたりしてね
5つの真空管を使ってコンデンサーとか配線する
ハンダ付けで接続して今で言う基盤を作るんだよ」
「へ〜」


「作ることって面倒くさくないの?」
「ラジオの仕組みがわかるし作る楽しみもあるし
資源の大切さが身に付くんだよ」
「で、もったいないとどうつながりがあるの?」
「壊れたらすぐ捨てるんじゃなくて
壊れた部品を交換するだけで使えるんだよ」


「今はすぐ捨てるよね」
「修理するより新品を買ったほうが安いからね」
「だから循環型社会が良いってことなの?」
「大規模リサイクルセンターという施設が
その役割をするんだよ」