夢の中の不思議

「マー坊さん、家まで連れて行ってくださる?」
「はい、いいですよ」
夕方遅く家に帰るためにバスに乗ろうとした時
95歳になる地元の料理教室の先生の声でした。


満員のバスに手をつないで乗り込んで
目的地までいくらなんだろうと料金表を見る。
目的地はどこなのか、料金はいくらなのかわからない。


僕は居眠りしてしまい目が覚めたら乗客は誰もいない。
いるのは僕たち二人と数人の家族連れ。
よく見るとバスではなくバスを改造した家でした。
「すみません」と言ってそこから外へ・・


95歳のお婆ちゃんはなぜか僕が抱っこしてます。
暗い道を歩いていると神社の裏へ。
神社の表に出るとそこは祭りの真っ最中。
狭い参道に夜店がいっぱい並んでいます。


大勢の人がいるのでなかなか進めません。
「先生すみませんね〜トイレは大丈夫ですか?」
「いいよ私は大丈夫だから」
95歳のお婆ちゃんはまるで赤ちゃんと同じです。
おしめをしてバスタオルに包まって抱っこされて。


人ごみの中を通るときなぜか映画の撮影中なんです。
よく見ると僕たちが主人公のようです。
僕の動きにあわせて周りの人が動き回る。
そして
遠くを見ると大通りが見えます。
歩行者天国のように広い道に人がいっぱいです。


ん?
車もいっぱい走っています。
よく見ると車が右側通行。
「あれ?ここは日本じゃないの?」
先生を家まで届けることも出来ないし
どうすればいいんだろう?


あれ?
年寄りだから小さくなって赤ちゃんみたいになった。
それにしても重みがない。
抱っこしているのに重みがまったくないんですよ。
そしたら・・・
目を覚ましました。


95歳の料理教室の先生は・・・・
数年前亡くなっているんです。