小説の下書きです(36)

小学校の職員会議では小学生が国連で演説することなどありえないと一笑していたが特別活動としてなら学ぶ価値はあると判断しました。
そして一週間後稔は職員室へ呼ばれた。


「稔君、やっと許可が下りたよ。特別活動の中で勉強して良いって。良かったな。近いうちみんなで勉強しような」「はい!ありがとうございます」


帰宅した稔はさっそくインターネットを開いて「皆さん学校で提案書を取り上げて勉強することになりました。特別活動だけど」
しばらくして素子が「そう、良かったわね。で、先生は何か言わなかった?」「僕が国連で演説しますって言ったら笑ってました」「でしょうね(笑)みんなが考えてもらえれば大人も考えてくれると思うわ」「そうなると良いです」


「ところで、特別活動って何なの?」「教科書のない勉強です」「どんな勉強するの?」「道徳とか社会の一員としての体験とかです」「へ〜そうなの?」素子は古い教育を受けていたのでわからなかった。「それなら提案書は良い教科書になるわね(笑)」


しばらくして参加者全員が稔の報告に喜びのコメントを入れた。


そして「良いことが起きそうなので皆さんも提案書の原稿を拡散しましょうよ」と美佐枝が意見を書いた。「そうですね、それと同時に各政党やテレビ局の番組などに取り上げてもらえるように投稿しませんか?」「良いですね、ぜひやってみましょうよ」「マスコミ関係の人が協力してくれると早く広がると思いますね」幸夫も栄治も前向きな意見を書いた。


「それではみんなで提案書の拡散と稔君の学校での勉強会を中心に活動してみましょう」「賛成です」「それでは時々状況報告会をやることにして散会します」「状況報告会は定期的にするんですか?」「いえ、報告したいと思った時に書いてくださればOKですよ。お互い忙しいでしょうから」「そうですね。見るだけなら毎日でも出来ます」「では、そういうことで」


稔は学校の特別活動でどのように意見を言ってくれるのか気になっていた。
インターネットでは反対意見はほとんどなく楽しく意見交換が出来たからである。


そしてその日が訪れた。
「稔君から提案書が出されました。それは『世界平和とお金のない世界』です」「え〜!」クラス全員が叫んだ。
「みんなはインターネットをやってますか?」「はい」「稔君はインターネットで大人の人たちと世界平和について話し合ったそうです。そして世界の人たちに世界平和を実現しようと提案書を作りました。その提案書がこれです。コピーしたのでみんなで一枚ずつ取ってください」


さあ授業が始まりました。