心と対話「意識改革は必要ですか?」(2)

「本当に正しいことを実践していれば苦しまないのに」
「自分は正しいと思ってても人によって正しくないよね」
「ところで所有権の存在に疑問を感じたことはないのか?」
「所有の喜びと言うものは無いよりあったほうがいいと思う」


「では聞くけど、
頑張って手に入れたものをいつまでも大切に使っているか?」
「そう言われると・・・そうでもないかも?」
「何でもそうだけど、
手に入れるまでは頑張るけど手に入れたあとはどんな気持ちだ?
苦労して家を買って、壊れてもお金がかかるからって修理もしない。
庭の草なんか面倒臭いからといって伸び放題。
挙句の果てにはゴミ屋敷で近所迷惑も居るし・・・」
「それは一部の人でしょう?」


「一事が万事なんだよ。小さいことを言えばきりがないけどね。
『自分の物だから自分の都合のいいように使ってもいいじゃないか』
と思っている人が多いんだよ、それに利用できる人が偏ってしまう」
「それは公平性を保つには良いことじゃないか」
「それが本当の公平性だと思うか?」
「頑張った人は頑張っていない人より多く所有できるんだよ」


「本当の公平性は、すべての人が自由に使えることなんだよ。
どうしても数に限りがある場合は抽選でいいんだ」
「所有権がなかったらいつ誰かに奪われるかわからないよ」
「所有権の代わりに使用権があればいい。使用者が使っている
あいだは誰にも侵害されないことを保証すれば良い。
そして使用者が使わなくなった時、公のものに戻るんだよ」
「それでどんなメリットがあるの?」


「お前は借家に住んでいるんだろ?」
「うん」
「借家の場合、修理は自分でしなくてもいいけど、
大切に使わなければいけないという義務があるんだよ」
「なるほど。借りたものは大切に使わなければいけないんだ」
「そうなんだよ。自分の体も借りたものだと思えば大切に使い
病気や怪我にならないように健康管理にも気を使うんだよ」
「そっか〜。医療問題も環境問題も解決できるんだ」
「そして完全循環型社会を作れば益々良くなるんだね」


「ところが、すべてにお金が必要な社会だから不可能なんだよ」
「何で?」
「完全循環型社会では企業は儲からないんだよ」
「何で?」
「コストがかかるし、資本主義社会にふさわしくないんだよ」
「何で?」
「大量生産大量消費で売り上げを上げることをしないから(笑)」
「どうすればいいんだろう?」


「一番の難関は『所有権を放棄すること』だね」
「どうすればみんなが放棄できると思う?
それに、頑張ることが無くなって無気力になるんじゃないの?」
「それはね・・・・