近未来テレビ番組「地球一家」(9)

        <自分のこと>


「ところで、世界平和のためにも地球一家の話が出てるけど
『お金の要る社会でも良いじゃないか』と言う人もいます。
そう言う人たちの意見に対して何かコメントありますか?」

「僕も一時そう思ったことがありますよ。
『お金を無くす必要があるのかどうか?』とね」

「要は分かち合いが出来れば問題は無いんじゃないですか?」

「そうですよね」



「お金の要る社会は奪い合いの社会と言ってたけど、
お金のない社会でも奪い合いは起きるんじゃないですか?」

「そう考えればお金の要る社会でも分かち合いは出来ますよね」

「それが、なぜ出来ないんだろう?」

「それは、お金がないと生きていけないと言う問題でしょう?」

「そうね、お金は蓄えることが出来るし増やすことも出来るね」



「お金のない社会では物を蓄えることが無駄に思えると思うよ」

「いつも必要なものを手に入れることが出来るのならね」

「話は違うけど、お金を貯めることに違和感を感じるんですよ。
何だか『自分さえ良ければいい』って言うことをしているみたいで」

「お金の要る社会では当然のことじゃないですか」

「飢餓や貧困で苦しんでいる人がそばにいても出来ますか?」

「・・・・・・(涙)」



「他人は他人、自分は自分で考えれば楽になるけど、
自分の家族ならそんなこと平気で出来ないじゃないですか」

「そうね、すべてが自分のことのように考えなきゃいけないよね」

「そう言えば、宇宙が一つの生命体ならって考えたことがあるよ」

「まあ、大きな話ね(笑)」

「一つの生命体の中ではすべての存在は一つの生命体のために
助け合わなきゃいけないってことだよね」

「体に例えると60兆個の細胞たちは一つの体を支えているの」



「考えてみれば体の中の細胞たちはお金のない社会だ(笑)」

「地球上の生き物もお金を使っているのは人間だけだよ(笑)」

「人間だけ『物々交換』をやっているんだ(笑)」

「人間も進化すればお金を使う物々交換を卒業するんだね」

「人間が進化したからお金が出来たと思ったのに(爆笑)」



「本当に進化した人間は「すべてを自分のことのように』だね」

「お金のない社会になったらそう思えるようになりそうね」

「なんとなく、そう思うよ♪」


つづく