父と子の会話より「循環型社会」

「大規模リサイクルセンターの役割って何?」
「お前は家庭菜園って知ってるか?」
「うん、自分ちで野菜を作るんでしょ?」
「自分で野菜を作って自分たちで食べる。
野菜くずはどうしてるか知ってるか?」


「お父さんがバケツの中に野菜くずと
ボカシを混ぜて作っているやつでしょ?」
「そうだ、ボカシ和えってやつだよ。
あれを畑に入れて肥料の代わりに使う」


「あ、わかった。
土から出来た野菜の食べない部分を
また土に戻すってこと?」
「そうだよ、それが循環ってことなんだよ」


「野菜以外にもそれをやるってことなの?」
「そうなんだよ。オモチャも自転車もテレビも
すべての使えないものを集めて再利用するんだよ」


「どうやって再利用するの?」
「修理できるのもは修理するし修理できないものは
分解して部品として再利用し、それ以外は溶解して
原料に戻して再利用するんだよ」
「それなら資源が無駄にならないってことなんだね」
「そうだよ、それが自然と共存するってことなんだ」


「お父さんは産業廃棄物の仕事をやったことあるの?」
「うん、ダンプで運んで処理場に持って行くんだよ」
「持って行ったらどうなるの?」
「山の中で土に入れて埋めてしまうんだよ」
「何でそんなこと、もったいないじゃないか」
「回収して再利用するとお金はかかるし
それに新品が売れないと儲からないんだよ」


「お金の要る社会って儲かることしかやらないの?」
「そうなんだよ、だからお金のかかることはしない。
もったいないことがいっぱいあるんだよ」


「大規模リサイクルセンターって
お金儲けのためにあるんじゃないんだね」
「自然のように循環型社会にするためにはね
お金があっては困るんだよ」
「何で?」
「自然界にお金は存在しないからなんだ」


「お金は血液のように
流通したほうが良いって聞いたよ」
「本当はね
お金より人と人との心の流通が良いんだよ」
「助け合いにお金は要らないんだね」
「そうだよ、心の循環型社会とも言えるかな(笑)」