爺ちゃんとミノル(34)

「これからは18歳で選挙権があるんじゃ。あと6年じゃろうが、いろんなことを知っちょったほうが自分の意見がはっきり言えるんじゃ」
「わかった。わからないことがあったら会った時に聞くね」
「それがええの、メモにしちょくとええの」
 
 
「それから、お手伝いをやったらご褒美をもらう話をしたじゃろう?」
「働いて給料をもらう練習ね?」
「お願いがあるんじゃがの、褒美をもらわんでもお手伝いをして欲しいんじゃ」
「どうして?」
「ボランティア精神を身に付けて欲しんじゃ」
「どうして?」
「それが未来型の働き方じゃけ~の」
「わかった、お金を稼がない社会の練習だね」
「ようわかったの~(笑)今の社会はお金をもらわんと何もせん人が多いんじゃ」
「人や社会のために働くことが良いんだね」
「まずはお父さんやお母さんが喜んでくれることを身に付けておくことがお前のためなんじゃ」
「わかったよ」
「じゃあまた来るけ~の。元気での」
「うん。お爺ちゃんも元気でまた来てね」