爺ちゃんとミノル(104)

「自分の中にはいろんな自分がおるじゃろう?」
「それを聞いたらなんとなくわかってきたよ」
「そのすべてが思考の自分なんじゃ。それを知ったら次にやることがあるんじゃ」
「まだ続きがあるの?」
「思考の自分と互いに影響を与えちょる感情の自分なんじゃ」
「感情の自分って?」
 
 
「例えばじゃのう。兄弟喧嘩で叩きあったとしよう。相手が3回叩いて自分が2回しか叩かんかったら1回分少ないじゃろう?」
「うん」
「その時お母さんからケンカはやめなさいと言われてやめたら1回分叩いてないから悔しい気分になるじゃろう?」
「うん。その気持わかる(笑)」
「人生の中にもそういう我慢してきた感情っちゅうもんが溜まっちょるんじゃ」
 
 
「何となくわかるよ。頭では納得してるけど悔しい感情が残ってるってことなんだね」
「そうなんじゃ。そういう感情をすべて吐き出すことで過去をきれいに掃除するんじゃ」
「なんとなくわかったような気がする」