爺ちゃんとミノル(109)

「僕の心臓は・・・ミノルの心臓」
「わかったか?」
「わからないよ(笑)」
 
 
「じゃあもう一つ例え話じゃ。桜の木がもし喋ることが出来ると思ってみ」
「桜の木とお話が出来ると思えばいいの?」
「そうじゃ。枝を指差して名前を聞いてみ?」
「僕は桜の枝だよって言うと思う」
「じゃあ葉っぱを指差して名前を聞いてみ?」
「僕は桜の葉っぱだよって」
 
 
「何かわかるか?」
「桜の木の枝も葉っぱも桜なんだね」
「そうじゃ。じゃあさっきのミノルの体もわかるじゃろう」
「僕の心臓も左手も僕なんだ」
「それで。宇宙を考えてみ」
「あ~そういうことか。宇宙の中にあるものは全部宇宙なんだ。わかったよ」
 
 
「自分は宇宙ですって言ってもええじゃろうが?」
「そうだよね。僕も宇宙なんだ」
「それを頭で考えるんじゃのうて感じたんじゃ」
「それで木や草とお話できたんだね」
「そうなんじゃ。木や草も宇宙の一部じゃし自分も宇宙の一部ということがわかると波長が合うんじゃろうのう」