爺ちゃんとミノル(108)

「まさか。木が暖かくなったの?」
「いや、そうじゃのうて全然寒うなかったんじゃ」
「え~寒くなかったの?」
「そうなんじゃ。木が助けてくれたんじゃ」
「このあいだお爺ちゃんのお母さんに助けてもらった話と同じじゃないか」
「そう言われりゃあそうじゃのう」
 
 
「なんだかみんなつながっているって気がした」
「そうじゃのう」
「で。気になったんだけど本当の自分って何だろう?」
「お爺ちゃんにもわからん。わからんけど想像はつく」
「どんな想像?」
「自分は宇宙だと言うことじゃ」    
「自が宇宙なの?」
「そうじゃ」
「前澤さんが宇宙へ行くってあったけど。あの宇宙のことだよね?」
「そうなんじゃ」
「意味がよくわからないんだけど(笑)」
「じゃあ例え話をするど?」
「わかった」
 
 
「ミノルの左手は何という名前じゃ?」
「僕の左手の名前?」
「そうじゃ」
「僕の左手の名前は・・・ミノルの左手・・・・?」
「ミノルの心臓は何という名前か?」