爺ちゃんとミノル(117)

「それ変じゃない?」
「損得勘定は自分が得になることでものごとを考えるんじゃ」
「もう一つのそんとくかんじょうは?」
二宮尊徳の尊徳なんじゃがの、世のため人のために生きちょった人じゃ」
「それは習ったことがあるよ」
 
 
「その人の尊徳と感情を組み合わせた言葉なんじゃ」
二宮尊徳のような気持ちでものごとを考えたほうが良いってことなんだね?」
「そういうこと(笑)」
「都会の中では難しいね、どうしても損得勘定で考えちゃうよ(笑)」
「資本主義っちゅうもんは利益の上がらんことは必要なことでもやらんし利益が上がることはやっちゃあいけんことでもやってしまうからのう」
「それで自然破壊が進んだんだね」
 
 
「山の中は荒れ放題じゃからのう。昔は木を売って儲けようっちゅうことで植林をいっぱいしたんじゃがのう」
「いまはどうなってるの?」
「木の手入れをするにもお金はかかるし売っても儲からんから放ったらかしなんじゃ」