大きな勘違い「宝物は形じゃない」

「お前にとって宝物は何だ?」
「僕の宝物はね絵画展の表彰状かな?」
「すごいじゃないか」
「自分の努力が報われた感じがするよ」


「自分が良い評価されることは嬉しいよな」
「うん」
「その表彰状は自分自身のものだ。
他人様は関係ない宝物」
「だから僕だけの宝物だよ」


「他に宝物はあるか?」
「結婚して子供が出来たらそれが宝物だね」
「自分の分身とか自分の後継者とか
自分が生きた証が出来ると嬉しいもんだね」
「宝物は人それぞれ違うからね」


「もっと素晴らしい宝物を教えてやろう」
「もっと素晴らしい宝物って?」
「お前はあこがれの人っているか?」
「あこがれの人はいるよ」
「どんな人だ?」
「それはね、誰からも尊敬される人」
「良いこと言った」
「何で?」


「お前があこがれの人になるんだよ」
「え?」
「お前が尊敬する人のような
生き方・考え方が出来るよう努力をするんだよ」
「それはムリだよ」
「わかってる(笑)
あこがれの人の真似をしてみるんだよ」
「何で?」
「真似をしているうちに自分がそうなっている。
わかるか? プロの選手も同じことをしているんだ」
「へ〜」


「いいか?お前に子供が出来ると
子供はお父さんの真似をしたくなるんだよ。
お父さんの生き方・考え方をしっかり見ているんだ」
「うん」
「自分があこがれている人の真似をして
自分があこがれの人と同じ人になれば
自分の子供があこがれの人と同じ生き方をする。
それが宝物だ」


「へ〜、お金や物じゃないんだ」
「お前の宝物はお前が死んでも存在し続ける。
それは自然と同じなんだよ」
「宝物って、誰にでも役に立ち
いつまでも存在して欲しいものなんだね」
「よくわかったね」