小説の下書きを書いてみよう(16)

みんなは現実を変えることは難しいと知っているし、戦争も紛争も貧困も格差も自分たちが考えてもどうにもならないことも知ってる。
稔はしばらくインターネットで検索してみた。世界が平和になるために何をすれば良いのか?。国連の活動、日本の平和活動、稔にとっては難しすぎた。


「僕には難しすぎてどうすれば良いのかよくわからないんですけど、いくら良いことでも世界を変えるのは難しいです、だから僕が考えた方法ですけど書きますね、もう一つの世界を作ったらどうだろうってことです」稔は精一杯考えてコメントしてみた。


これには誰もがビックリです。
「まさかもう一つの地球が要るって事なの?」一つの地球に二つの世界をイメージすることは出来なかった。
「もう少しわかりやすく書いてもらえるかしら」と素子がコメントした。


「お金の要る世界が大人の世界だとしたらお金のない世界は子供の世界と考えてみたんです」「ほう、良いじゃないの」「おもしろそうだね」栄治も幸夫も興味を持った。「子供の世界はどんな世界なんだろう?」素子も興味を持って質問してみた。


「大人の人も子供の頃を思い出してもらいたいんだけど、僕たち子供は友達同士でお金のやり取りをしないで勉強したり遊んだりしています、空き地で遊ぶのも山や小川で遊ぶのもお金は要りません」みんなは子供の頃を思い出して「そうだよね」と懐かしんでいます。


子供ならではも発想だけど、大人は仕事をするけど子供は仕事をしない。そういう視点から子供は見ていないようです。


「どんなことをすれば子供のような世界が作れるんだろう?」と栄治が聞いてみた。「インターネットでいろいろ検索して興味のある活動があったんです、『国境なき医師団』とか『国際NGО』とか『ユニセフ』とかです、ほかにもいっぱいあるんですけどね、これらが自由に活動できる世界を作ったら良いのにな〜って」


「いま現在やっているよ」と水を差すようにコメントをはさんだ。「それなのに世界はますます悪くなっているのが変だと思ったんです」「たしかに」これには誰もが納得です。「それを自由に活動できれば良いってことなのね?」「そうなんです、そこまではひらめいたんですけど・・・」


稔のひらめいきにはみんなが驚いたが未知なる世界のイメージがすぐに湧いてこなかった。
「チョット考える時間が必要ですね(笑)。なにか思いついたらいつでも書き込むのはどうでしょう?」幸夫は思考の限界を感じて提案した。


2,3日だれも書き込みはなかった。
そして4日後
「こんにちは、お邪魔してよろしいでしょうか?美佐枝と申します、26歳会社員です」新しい人が参加しました。