小説の下書きです(33)

「文化交流は今でもいっぱいあるけど日本を知らない人たちも多いですよね」「日本を知らない人たちも日本を嫌っている人たちも交流が増えれば解決しそうな気がします」「僕もそう思います」みんながコメントを書いた。


そこで稔が思い出したことを書いた「学校でいじめの話があったとき嫌いな人と好きな人の話があったんです。そのとき『嫌いな人は敵じゃない』って言ったんです」「ほ〜それはすごいじゃないの。どうしてそう思ったの?」


「僕は『人様に迷惑をかけてはいけない』って教わりました。でもね友だちに何か言おうとしても『迷惑になるんじゃないか?』って思うようになったんです。それでね『人が喜ぶことをしよう』が良いんじゃないかって思ったんです」「一緒に楽しめれば迷惑をかけずに相手も喜ぶってことね?」「そうなんです、幸夫さんの交流の話を見てそれを思い出したんです」


そこで素子が「私も子供の頃から『人様に迷惑をかけてはいけない』ってしつこく言われたものよ。だから人と接することはなるだけ避けてきたわ。稔君の言う通りよね、良い話をありがとう」「稔君もいろいろ経験しているんだね」と栄治も一言書いた。「ありがとうございます」


利益を上げるために働いている栄治が「たしかに今までは損得勘定で生きてきたから、損することは出来るだけ避けて、自分にとって得する相手を味方のように接してきたんだよね」「これからは敵も味方も作らないほうがいいですね。敵と思うから争いになるんですね」と美佐枝がコメントした。


「稔君が言ったように『人が喜ぶことをしよう』と言うのは人が喜んでもらえる行為は自分のためでもあるんですよね。そういう人たちが自分をいじめることなんてありえないですからね。そこでこんなことを考えたんです。

お金の要る世界が損得勘定で生きるのなら
お金のない世界は尊徳感情で生きていける。

だからお金のない世界のほうが自分らしく生きていけるんじゃないかなって」「そうですね、稔君の一言でいつも考えさせられますね♪。ところで、提案書の原稿はこれで終了ですか?」「いえ、あと一つあります」