小説の下書きを書いてみよう(27)

「幸夫さんが書かれた原稿を読んでの感想を皆さんに書いていただきたいのですが」と素子が提案した。「国際支援団というのは良いと思いますが、今までの国連にある団体とはどう違うんですか?」と美佐枝が聞いた。


「今までの団体の活動はお金という制約の中でしか活動できなかったから一部の地域しか支援できなかったんです。だから今回考えたのは世界中の国と地域が参加することで地域に合った支援が出来ると思うんです」「そうすると支援団の人数はかなりの数になりますね」「そうですね、できれば100万人くらいが良いですね」


「そんなに必要ですか?」「世界の国は約200ヶ国ですけどね、一つの国の中にも民族の違いや文化の違いで差別されている環境が多いからすべての民族の人たちが恩恵を受けられるようにしたいと思ったんです」「それなら先日美佐枝さんが言っていた『善意の井戸での悲劇』は起こらないでしょうね」


「どこの地域でも安心安全な水が供給されて、取り残される人たちが出ないようにしなければと思ったんです」「そう言うことですか、納得しました。みんなが同じ仲間意識が持てればいいですね」


「文化や宗教の違いで他国民が入ると拒絶反応をする人たちもいるんじゃないですか?」「それをスムースにするためには国や地域の地元の人たちをリーダーとして国際支援団の組み合わせを作ったらトラブルはないと思いますよ」「なるほど、地域の人たちの都合に合わせて組織を作るんですね」「そうです」


稔も疑問を書いてみた「それらの人にボランティアで働いてもらうんですか?」「それは無理ですね、いま働いている人たちや無職の人たちも生活費は要りますからね、生活するための人件費は必要ですね」「そのお金は誰が払うんですか?」「これが最大の悩みだったんだけどね、世界平和のための活動だから世界中の軍事費の一部を活用してもらおうとお願いするんです」「こういう内容も提案書に書いたらいいですね」


この提案にはみんなが「良いですね♪」と賛同した。
ちなみに
世界の軍事費は2015年一年間で185兆円。
185000000000000円です。


「一人当たりの人件費の金額はどうなるんですか?」「国や地域の状況に応じて支払えばよいと思いますよ」「そうですよね、生活費は地域によって違いますからね」「もう一つの世界を作ると言ってもお金の要る世界ではお金がないと何も出来ませんからね」


「人や人件費が確保されればあとは企業の協力が要りますね」「技術や資源は企業の協力がないと得ることが出来ませんからね」「企業も利益を求めないで損をしない程度に参加してもらえれば良いんじゃないですか?」「そうですね、損しなければ企業も協力してくれるでしょう」


稔にとっては知らない世界の話だけど夢の実現には必要な知識を理解しなければと感じていました。
それを気遣ってか素子が「稔君、難しいかもしれないけど稔君の未来のためにも頑張ってね♪」「はい!頑張ります♪」