爺ちゃんとミノル(10)

「そっか~いろんなことが出来るって楽しいよね」
「それだけじゃないぞ。とくに山の中は命がいっぱいなんじゃ」
「命がいっぱいって?」
「すべてが生きちょるんじゃ」
「動物や昆虫とか?」
「それだけじゃないぞ、木も草も川も鳥もすべてじゃ」
「みんな生きてるんだね」
「そうなんじゃ。わかったか?」
「うん」
「学校で勉強する意味がすこしわかったか?」
「うん、勉強もチョット頑張ってみる」
「チョットだけか?(笑)」
 
 
「なあミノルよ。今年は小学生最後の年じゃろう?」
「うん、そうだよ」
「近ごろの小学生の夢は何だ?」
「僕の友だちはプロ野球とかお医者さんとかいるよ」
「ほ~良いことじゃないか」
「社会の役に立ちたいと思ってる友だちは多いよ」
「ほ~感心じゃのう。ほんでミノルはどうなんじゃ?」
「僕?サラリーマンが良いよ」
「なんでじゃ?」
「あまり頑張らなくても毎月給料がもらえるから」
「ハハハハ現実的じゃのう」