爺ちゃんとミノル(53)

「むりやり人間の都合で自然を変えてはいけないってことなんだね」
「そういうことじゃのう。自然には最低限のマナーが必要ということなんじゃ」
「でも危険な場所から離れられないってどうして出来ないの?」
「このあいだ話した所有権と使用権の話は覚えちょるか?」
「うん覚えてるよ。所有権をなくして使っている間だけ自由に使える使用権だけで良いって言う話だよね?」
「そうじゃ」
「それとどういう関係があるの?」
「この地球上じゃあのう、どこの土地も誰かの物なんじゃ」
「所有者がいるってことなんだね」
「じゃからの、よその土地に勝手に入っちゃいけんし勝手に家を作ってもいけんのんじゃ」
「そういうことなんだ~」
 
 
「ゴミ屋敷も崩壊寸前の空き家も所有者以外が勝手に処分できんのんじゃ」
「その話は聞いたね」
「この所有権さえなけりゃあ移住も簡単に出来るんじゃがの~」
「でも自然を壊さない程度でしょ?」
「そりゃあそうじゃ」
「こういう話はやっぱりテレビ番組で話題にして欲しいね」
「ミノルも学校の中で話し合うのも効果があるかもしれんど」
「そうだよね。僕も友だちとこんな話をしてみるよ」