爺ちゃんとミノル(113)

「お手伝いをやる時お金がもらえるっちゅう見返りを求めちょるじゃろうが」
「そっか~。自分が頑張ったからもらえることなんだね?」
「ご褒美のお駄賃がもらえんかったらどうする?」
「なんだかやりたくないな~」
「それが今の社会なんじゃ」
「どういうこと?」
 
 
「お金がもらえんかったら働きとうないっちゅうことなんじゃ」
「そっか~。それともう一つの生きがいって何?」
「生きがいっちゅうのはのう。見返りが無うても働くっちゅうことなんじゃ」
「どうしてそういうことが出来るの?」
「まだわからんか?」
「わかんないよ」
「もう一回聞くど?」
「うん」
 
 
「お前の体の細胞たちはキチンと働きょうるか?」
「うん。働いていると思う。あ~そういうことか♪」
「わかったか?」
「僕の体の細胞たちはお金がなくても働いているんだよ」
「それが自然と言うもんじゃ」
「でも。人間社会って自然とは違うよ?」