近未来テレビ番組「地球一家」(16)


        <味方は要らない?>


「子供のころからの教育は大切だと思うんですが・・・
『人が喜ぶことをしよう』という話がありましたよね。
子供たちが遊ぶテレビゲームが気になるんですけどね、
仲間と一緒に敵を倒すゲームです」

「遊びの中で生き方や考え方が身に付きますよね」

「仲間と助け合って敵と戦うゲームはけっこう楽しいです♪」



「楽しむことを否定するんじゃないんですけどね、
助け合うことの大切さを学ぶだけなら良いんですけど、
敵をやっつける正義感や達成感で満足を得ることはどうなの?」

「今の社会では特別に悪いことじゃないと思いますよ」

「地球一家という社会を作るためには相反することじゃないの?」

「たしかに家族の中に敵を作ることは良くないかも?」



「仲間と一緒に敵を倒すゲームを無くすことは不可能だと思うけど
それに代わるゲームが出来たらいいのにって思うんですよ」

「そうですね〜、本物の戦争でもゲーム感覚でやられたら困るよ」

「今話題のドローンが子供でも簡単に使われる世の中ですからね」



「生活の中でも敵と味方の分類をしますよね」

「同じ会社で働いていた人が商売敵の会社に入ってしまうとかね」

「経済活動の中ではごく普通の出来事だからね」


「政治の世界でも政党を作って敵味方に分かれて論争しますよ」

「政党は作らないほうが良いんじゃないですか?」

「同じ政党の中でも意見の違う人がいっぱい居るんですからね」

「与党と野党って無いほうが良いかもしれませんね」



「ところで、子供たちのゲームは教育のためにも必要だと思うけど
外で楽しむゲームをもっと増やして欲しいですね」

「ボランティアゲームとか、理想社会実現ゲームとか、
何か新しいものを作り出すゲームなんかあったほうがいいですね」

「実生活でも敵を作らない生き方が出来るかもしれませんね」

「敵が居なければ味方を求める必要もないしね」

「協調し合える仲間が居れば寂しくないよ♪」



「テレビゲームを作る人たちに真剣に考えてもらいたい話でした」

「楽しみながら社会を変える良い方法かもしれませんね」


つづく