爺ちゃんとミノル(87)

「お金という合図と同じだね(笑)」
「そうじゃ(笑)そのリングが開かんようにしっかり力を入れちょけよ」
「うん」
「お爺ちゃんが右手と左手で同じリングを作ってミノルのリングを開くように引っ張るからの」
「僕はリングが開かないようにすれば良いの?」
「そうじゃ。ええか?引っ張るど」
「少し開いた」
「良し。少し開くくらいの指でテストをするんじゃ」
「それでどうするの?」
 
 
「それじゃあ、このタバコを左手の手のひらで持っちょけ」
「お爺ちゃんタバコを吸うの?」
「いや、こりゃあ友だちが忘れて帰ったタバコなんじゃ」
「な~んだ。持ったよ」
「さっきと同じように右手でリングを作ってみ」
「うん、わかった」
 
 
「じゃあさっきと同じようにお爺ちゃんが両手の指で引っ張るど」
「あ~簡単に開いたよ。何で?」
「これはの、自分にとって良くないものと体が反応しちょるんじゃ」
「じゃあ僕にとって良いものはどうなるの?」
「じゃあ今度はこれを持ってみ」
「何これ?」