爺ちゃんとミノル(106)

「ぬいぐるみじゃないど。同じセミナーを数十人が受けたんじゃが、みんなが公園でおのおの弁当を食べようということで公園に行ったんじゃ」
「そこで何かあったの?」
「木のそばで座っても良い?って心の中で木に言ったんじゃ」
「そしたら?」
「うん良いよって聞こえたんじゃ」
 
 
「木は喋らないでしょう(笑)」
「耳で聞こえるんじゃのうて、心の中で聞こえたんじゃ。その時誰か人がおるんか振り向いたど(笑)」
「それで?」
「人は誰もおらんかった」
「へ~。やっぱり木が喋ったんだ」
「そのあとご飯を食べながら下を見たらアリが歩きょうたから草に向かってくすぐったいことはないの?って心の中で聞いたんじゃ」
「そしたら?」
 
 
「僕たちはあるがままに生きるしかないんだよって聞こえたんじゃ」
「やっぱり心の中だよね」
「そうなんじゃが、その時は文章が見えた気がした。それと気持ちが伝わってきたど」
「へ~。想像もつかないよ(笑)」